「採用しても、すぐ辞めてしまう」
この相談は、ここ数年で急増しています。
採用はできている。
しかし、定着しない。
結果として、採用コストだけが積み上がり、現場の負担も増え続ける。
この状態に陥っている中小企業は少なくありません。
外部環境の影響も確かにあります。
しかし、同じ環境でも「定着する会社」と「辞める会社」に分かれているのが現実です。
なぜこの差が生まれるのか。その本質から整理していきます。
なぜ採用しても人が辞めるのか
早期離職の原因は、「入社後に起きている問題」のように見えます。
しかし実際には、採用段階からすでにズレが生まれています。
制度としては採用活動を行い、人を採用している。
しかし運用では、採用基準や受け入れ体制が曖昧なまま進んでいる。
さらに人の面では、現場ごとに関わり方や評価の基準が異なる。
この状態では、入社後に「思っていたのと違う」という違和感が必ず生まれます。
そしてその違和感が解消されないまま、離職につながります。
よくある勘違い
① 待遇を上げれば解決する
給与や福利厚生の改善は重要ですが、それだけで定着するケースは多くありません。条件が良くても辞める会社は存在します。
② 採用の問題だと考える
「もっと良い人を採ればいい」と考えるケースです。しかし、どんな人でも環境が合わなければ離職します。
③ 本人の問題にする
「最近の若手はすぐ辞める」といった捉え方です。この視点では、組織側の改善にはつながりません。
定着率の本質
従業員が辞める理由の多くは、「条件」ではなく「納得感」です。
・何をすれば評価されるのか分からない
・頑張っても報われる実感がない
・上司によって判断が変わる
・将来のイメージが持てない
この状態では、「ここで働き続ける理由」が見えません。
つまり定着率とは、「働き続ける理由を作れているかどうか」です。
定着率を左右する2つの要素
定着率を大きく左右するのは、「採用」と「評価」の設計です。
まず採用です。
どのような人材を求めているのか、現場とすり合わせができているか。ここが曖昧だと、入社後のミスマッチが発生します。
次に評価です。
何を評価するのか、どう成長していくのかが明確でない場合、従業員は方向性を見失います。
この2つが分断されている企業ほど、離職は増えます。
定着につなげるための考え方
まず重要なのは、採用基準の明確化です。
現場で活躍する人材の共通点を言語化し、採用時に見極める必要があります。
次に、評価基準の具体化です。
何をすれば評価されるのかを明確にすることで、日々の行動が変わります。
さらに、受け入れ設計です。
入社後の初期体験を整えることで、違和感の発生を抑えることができます。
そして、マネジメントの統一です。
上司ごとに評価や関わり方がバラバラな状態では、納得感は生まれません。
ただし、これらを個別に対応しても効果は限定的です。
採用と評価を一体で設計することが重要です。
まとめ
採用しても人が辞める問題は、外部環境だけでは説明できません。
多くの場合、組織内部の構造に原因があります。
もし、採用しても定着しない、離職が続いていると感じている場合は、採用と評価の設計を見直してみることをおすすめします。この2つが噛み合うことで、初めて組織は安定します。
採用設計や評価制度の見直しでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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